タイの釣り思い出シリーズ「カンチャナブリ釣行」③ 2015年12月〜2016年1月/油売り

神奈川県箱根町で育ち、中学~大学のころは芦ノ湖のブラックバスやマスたちと戯れる。その後、伊豆七島方面でカジキのトローリングにはまり、30代後半で南国タイへ。そこで出会った淡水の雷魚やナマズ、海ではアジと戯れる現在・・・

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⑦ガイドはどこへ・・・

車まで戻りましたがM君の姿はありません。

しばらくヘッドライトを付けて待ちましたが、現れる気配がないのでWan君は遠くからでも見えるように焚火を熾して一旦Wan君の家に戻ることにしました。

 

道すがら聞いたのですが、私がすぐに見つかったのはM君が三叉路などに葉っぱや木の枝で見印を付けていたのが幸いしたようです。でも、その目印を付けた本人はどこへ行ってしまったのでしょう。

 

いったんWan君の家に帰り、近所の若者数人を募って捜索隊を結成しました。

しかし、この日は元旦、みんなそれなりにお酒も入っていてハイテンション!

大丈夫でしょうか・・・・

危険な野生動物と遭遇する可能性もあると言うので、散弾銃も用意してM君見つける為にMEK君含む捜索隊は暗い森へ入って行きました。

何か力になりたいのですが、我々日本人は足手まといになるのは確実です。

Wan君の家で待つしかありません。

おばちゃん(Wan君のお母さんだと思います)や、Wan君の奥さんが食事を用意してくれましたので遠慮なく頂くことにします。考えてみましたら、朝の車移動中にガソリンスタンドで食べた朝食から何も食べていませんでした。

これだけ歩いて、食事も抜いていたのですからきっと体重が落ちているでしょうが、残念なことにこの家にはヘルスメーターはありません。

 

タイと言えどもこの時期の山はかなり気温が下がります。

おばちゃんが焚火を熾してくれましたので、自然とみんなはその近くに集まって話をすることになります。

「以前も何日も山で迷った人がいるのよ~。」おばちゃん軽~くそのような話をします。遭難しても、最悪の結果になったことはないようです。

しかし、暗くなる前に私のいたT字路へ戻れなかったのですから、M君は動けなくなるような状況ではないのかと悪い方に考えてしまいます。

すると、おばちゃんが「あの子も初めてじゃないし~。」

えっ、M君以前にも遭難したの?

「2回か3回迷っているよね~。」

明らかにガイドの選択を間違えました!!!

 

犬たちも焚火の周りに集まってきました。最初はじゃれていましたが、子犬から眠りについて行きます。

 

おばちゃん達が2階に布団敷いてくれました。「寝なさいよ、きっと連れて帰って来るから。」と言ってくれるのですがなかなか気分的に2階へ動けません。

しかし、焚火の火も小さくなってきましたので布団に入ることにしました。

12時過ぎ、車が帰ってきた音が階下でしました。急いで1階に降りましたがM君の姿はありません。

みんなで探したのですが見つけられなかったと言うことです。

彼は軽装だったので、この寒さの中夜を過ごすのは過酷ではないか・・・。

私の心配をよそに「8~9℃あるから、死なない、死なない、明日の朝明るくなったら再度捜索するから。」とタイ人捜索隊はお気楽です・・・。

「あいつ、慣れているから!」やっぱ常習犯だ。

 

2016年1月2日

翌1月2日の朝、昨夜より人数を集めて捜索隊結成です。スタミナドリンクや、水、カップ麺などの食料を持って出発して行きました。

本日は、ガイドのMEK君も一緒にWan君の家で待機組です。

 

さて、我々はまたしてもやることがありません。

そういう時は、又焚火です。そして、焚火と言えば焼き芋!

タイ人もやることは一緒ですね、お芋を火にくべ焼き上がるのを待ちます。

なんと、お芋は甘~い紫芋ではないですか~!

あちちちち、でも旨い!

 

コーヒーを飲んだり、焼き芋を食べて待つこと数時間、10時半になろうかと言う時に、Wan君の奥さんの携帯に連絡が入りました。

「M君発見!現在食事を食べている。」

やった~!怪我もないようです。

 

しばらくして捜索隊の車が帰って来ました。M君の服は泥だらけですが元気な様子です。

思わずハグしました。本人照れくさそうに笑っています。

 

やはり道に迷ってしまい暗くなったので動けなくなったと言うことです。

トランシーバーは私に渡してしまったので連絡の取りようもなく(携帯電話は森の中では圏外、Wan君の家でも何社かあるタイの携帯サービスの内、最大手の電波だけが辛うじてつながると言う状況です。)、11時間も同じ場所にじっとしていたそうです。

 

朝になって移動を開始したのですが、なぜか目印に置いておいた空き瓶の場所に3回も出てしまったので、同じ場所をグルグル廻っていたのでしょうね。

タイではこのような場合”ピー“に呼ばれたなどと言います。今回も”ピー“のせいだとみんなが声をそろえて話していました。(”ピー“はお化けと訳す場合もありますが、この場合は妖怪とか精霊に近い意味でしょう。)

 

早速M君はWan君のおばあちゃんに、魔よけのお守りを手首に付けてもらいました。

 

これにて一件落着、笑い話で終わって良かった、よかった!

とにかく、これで全てOK! かと思ったら・・・

 

⑧ バッテリー、お前もか・・・

ところが、これで全てOK!じゃなかったのです。

いざ我々の車を動かそうと思ったら、なんとバッテリーが上がってしまいセルがどうしても回りません。

これも“ピー”のせいでしょうか?

 

バッテリー同士をつなげようと、ご近所さんのピックアップトラックを動かしてもらい、向かい合わせの位置に持ってきました。つなげるためのケーブルある?と聞いたらおじさんが普通の電気のコードを持って来たのです。しかも短い・・・・。

それじゃ無理でしょ。

Wan君の奥さんが、近所からケーブル借りて来てくれましたので無事復活しましたけど、最後の最後まで、気が抜けないですね~。

 

この後は何事もなくホテルへ向かい、シャワーを浴びて荷物を片付けてバンコクへ帰りました。

2016年最大の事件は元旦に起こった! それは間違いありません。

私はまだ、2016年の釣り始めも出来ておりませんし・・・。

 

この後、GPS機能付きの防水カメラを新たに購入いたしました。

まだ、活躍の機会はありません。(そんな機会はない方が良いですが)

 

皆様も安全第一で、楽しい釣りを!

 

※次ページで「おまけ」を紹介します。そちらもご覧ください(^^)

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